オーストラリアで 山﨑 勲「ぽれーる号」乗船の報告 (Part3)

(3)Magnetic島―Orphes島―Hinchinbrook島
  10月7日、Magnetic島を6時に出発。天気は晴れ、しかし風弱く始め機走、後にSEのいい風を受けて帆走を楽しみながら計約40Mを走って、午後Orphes島西側のPioneer湾に到着して投錨。他にも数艇アンカリング。遠く北方に大きなHinchinbrook島が見えていました。夕方、きれいな放射線状の筋が見える綺麗な夕空にしばし見とれました。

  10月8日、ゆっくり目に9時出発。いい天気で弱い風の中、機走でHinchinbrook Channelを目指す。入り口の南方に陸から3Mくらい沖(東)へ突き出た橋のようなものがあり、先端に貨物船が停泊していました。これは農産物か鉱石をベルトコンベアで陸から運んで船に積むためのものと考えられます。このあたりは浅いところが多く、航路としては、一旦、橋の沖を北へ行き過ぎ、ついで橋の付け根の方にある目印(ライト点灯)を約250度に見る方向に進み、それから北方の入り口へ転進するようになっています。灯浮標がありこれにしたがって行くわけですが、日本とオーストラリアは赤緑が逆、ここでは水源をChannel南としていて、我々は北上だから赤を右、緑を左に見て進めばよいわけです(ややこしい、でもガイドブックにはきちんと説明がありました)。Channelに入って西へ進み、ついで北(右)へ曲がって少し進んだところにHaycock Islandという小島がありますが、ここへ14時に到着し、アンカリング。静かなところでのんびり釣り糸を垂れましたが何も釣れず。あたりはマングローブが生い茂り、迷路のようにクリークがあるようです。見るからにワニがうようよ居るような感じ。陸側からHinchinbrook島をバックに網に目のようにクリークが走る写真の絵葉書を添付します。右の方、入り口から少し入ったところに碇泊した小島が見えます。Hinchinbrook島は東京区部を一回り小さくしたくらいの大きな島だそうで1000mくらいの急峻な形の山(最高峰1121m)がいくつも連なっていて、これらの山すそを結ぶハイキングコース(数日かかる)もあるそう。大きなリュックを背負い登山靴をはいた人々も、翌日乗った観光船にいました。

 

 10月9日、6時半小島出発。マングローブに囲まれた静かなクリークを走ってから島の北を東へ回りこみ、ジュゴンが棲むMissionary Bayをわたって、島唯一のリゾート宿泊地がある北端のCape Richardへ13時に到着、投錨。桟橋は見えるが他に建物が見えなかったので、本当にリゾートかといぶかりながら上陸すると、ちゃんとロビーがあり、木々の下にロッジが点在していました。シャワー、洗濯をして、翌日のクリーク観光船を予約(1人50ドル)。

 10月10日、9時45分発のカタマランに乗って、錨泊中のぽれーる号の横を通り、Missionary Bayを南下し、マングローブ林の奥へ入って南東方向へ進み、クリークが狭くなると引っ張ってきた小型モーターボートに乗り換えて更に奥へ行って下船。他の観光客と一緒に歩いて島の東側の海岸へ出ました。広い砂浜の向こうに険しい形の山々が迫って、なかなかの景色でしたが、山の途中から上が雲に覆われていていい格好の頂上付近が見られず誠に残念。帰りは途中のマクシラポイントというところで下船し、橋本さんが作って下さったお弁当を食べ、約2時間のハイキングを楽しんでもとのリゾートへ帰着。途中にあったキャンプ場はワニよけの金網に囲まれていて、ワニが居るから泳ぐなの注意書きもありましたが、ワニにはお目にかかれませんでした。帰ってからリゾートのロビーで米、パン、玉子、ウィスキーをスーパー並みの値段で分けてもらうことができてよかったです。

 ぽれーる号は52フィートで重量が20トンもある大型ヨットで、一人での操船は大変なのでいろいろ自動装置が取り付けられています。ジブセール、ステイスルのファーリングは油圧、メインもマスト内ファーリングでこれも油圧駆動、自動操縦装置も油圧ピストン駆動です。電動のウィンドラスはバウとスターン両方についており、両側のジブシートウィンチはもちろん電動。バウスラスターもあって港内などでの方向転換が容易にできるようになっています。故障も時々起きるそうでその苦労もおありのようですが、こうなっていないととても少人数では難しいと思います。アンカーは85ポンドのCQRがバウについていて普段はこれを使用、他にもう少し小さなCQR、ブルースアンカー、大きなアルミ製ダンフォースなど計5個お持ちでした。泥の底では大きなダンフォースでないとCQRでは効かなかったそうです。また、風が強いときはCQRをタンデムに2個つないで投錨されるそうです。深さ20数mのところでアンカリングしなければならないことが南洋の島々では結構あるのでチェーンは100m必要とのこと。ぽれーる号にはホートヘルム社のオートパイロットの他、ドイツ製のウィンドベーン(風の力を利用して、風向に対し一定の方向を保つ)が付いていますが、ラダー部分の付け根が2回折れたそうで、今航海では使っておられませんでした。オートパイロットを使用中は常に電力を消費しますが、70Wくらいの太陽電池と風力発電機を備えておられます。夕食時にはいろいろ電気を使いますので毎夕2時間くらい発電機を回していただけました。10馬力程度のディーゼルエンジンが付いた発電機さえ動けばメインエンジン始動そのほかの目的のための大型バッテリーに充電できるので、必ず発電機を始動できる算段が必要とのコメントをいただきました。

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