オーストラリアで 山﨑 勲「ぽれーる号」乗船の報告 (Part5)

(5)High Island―Fitzroy島―Cairns
10月13日、朝7時にHigh Island 出発。25Mくらい北方のケアンズ沖の有名な観光地Green島へ始め行こうとしましたが、天気が下り坂で風も20ノットあり、風波を避けられる泊地がなさそうだったので、関船長は手前のFitzroy島に泊まることにご決定。帆走で午後早いうちに島の北側のリゾートホテルがあるビーチ沖に到着して、アンカリング。沖から見ると結構立派な建物があるように見えたけど、上陸してみるとかなりの部分が工事中でがっかり。あまりきれいではないカフェテリアで夕食しましたが、客の殆どは工事の作業者でした。船で釣りをしたらパンのえさで30数センチの平たい、ひれの大きな魚がかかりました。重いのでタモで上げましたが、橋本料理長が臭いので食べるのはやめようとのこと。リリースして調べたらLong-finned Bat Fishでした。(帰国して調べたらPoor eating の次,Goodの下のFair eatingだったので食べたらまずかったでしょう)。
10月14日朝Fitzroy を後にして、雨交じりの曇天の中、約20ノットの南東の風を受けてケアンズへ向かう。Grafton岬を回ってから西へ向かうケアンズまでの行程は20M弱で、近いがケアンズ付近は浅いので、一旦、ケアンズの北北東数M沖まで行って、そこから導入灯標の間を通って(右に緑、左に赤を見ながら)南南西へ進んで港を目指すが、掘り下げてある航路の両側は2m以下なので航路は外せない。関船長は国際VHFのCH16でMarlin Marina を呼び出し、指定されたチャンネルに移って交信、付けるポンツーン番号など確認されました。Abel Point Marinaのように保険に入ってないと入れないなどとは言わなかったよう。河口に入ってすぐ右、ホテルなどが入っているピアマーケットプレイスのビルの前にあるマリーナに進入、流れがあり風も強く、かつ狭いので難しかったけれどバウスラスタを使って回頭し無事係留。大きなヨット、モーターボートも含め180艇分くらいのバースがあるようです。マリーナ西端前のリーフフリートターミナルの2階の事務所へ皆で行き臨時係留手続きをする。一泊50ドルくらいだったと思います(今なら1豪ドル=60円で安い)。無線RANあり。勿論。水道、電気ありで、シャワールーム、トイレ、洗濯室など大きくて立派。ぽれーる号には200V-100Vの昇圧降圧両方可の変圧器があり、これで100Vに落としていました。
(2-3日してから決められましたが)出港は19日と決められ、それまで橋本会長と私は船に滞在させていただけることになりました。ぽれーる号は大きくて立派なので何人か見に来る人がいましたが、その中にケアンズでヨットに棲んでいた(今はアパートだが次の購入艇が来たらまたヨットに棲む)という奈良崎さん夫妻がいて、毎日訪れてきて、食料買出し、船具買出しの案内などしてくれ助かりました。関さんはGarmin GPSプロッターの豪領クリスマス島やココス島のカードを探されましたが、Garmin用はここをカバーしたものは無く、C-map ならある、ということが分かりました。
ケアンズでは昼食、夕食はいろんなレストランで楽しみました。17日の夜は、リーフフリートターミナルのデッキウォークにあるDundee’sというオーストラリア名物を食べさせるレストランへ行って、関さんと私はワニとカンガルーのミックスステーキを食べましたが、ワニはチキンとポークの中間のような味でなかなか美味。そこで演奏していたクラリネット奏者はケニー・ジーのような響きで気に入り、橋本さんも私もCDを買ってしまいました。

滞在中、関さんから航海についていろいろ話を伺える機会がありました。思い出すことを幾つか述べます。
* 航海に出てからはアメリカで1万5千円で購入した国際VHF(外国ではこれをMarine VHFと呼ぶそう)を使っている(外国では免許不要)。日本ではこのチャンネル数を5分の1くらいに絞ったマリンVHFを10万円くらいで売っていてプレジャーボートは一般にこれしか使用できず(海上特殊無線技師免許必要)、しかも海外に出るときは47万円もする双方向無線機というVHF装置を規定により買わされたが一度も使用したことがない。なぜ高価な無用の長物を持たせられるのか理解に苦しむ。(本当かと耳を疑いたくなります。私は1万5千円でアメリカから取り寄せた、日本では10万円位する、日本製のハンディーVHFを非常用に積んでいます。勿論使ったことはありませんが)。
* 短波無線機、日本のハム用は外国のヨット乗りが使っているものより周波数の制限があると聞く。外国でSSBを買ったほうがよい。これを使って気象予報を入手する(しかもパソコンのC-map海図の上に表示する)方法、e-メールを送る方法がある。
* 外海で揺れたとき艇内を安全に移動するため、階段両側から前方部屋入り口両側へと2本のステンレス製の手摺棒を取り付け、これを掴みながら艇内を動く。(写真の金具ご参照)。
* いろんな修理を自分でできるよう各種の工具を積んでいくこと。できれば旋盤、レースもあればよい。
* アクリルの窓はすべて非常時に外側からふさぐための板を用意してある。
* 外洋航海に出る前に、概ね整備が終わったところで、名古屋、小笠原、沖縄の三角コースなどできればメンバーも同じで走ってシェークダウンするべき。人間関係が大切と他の船の話をいろいろ聞いた。船長は要所要所ではっきり判断を示すようにすること。
などなど・・・。
僕は20日間、後部オーナーズルームで関船長の隣で寝させていただけました。写真のように立派な部屋で空調吹き出し口もあります(空調機は何台かあり、船内各所に吹き出し口がありました)。チャートテーブル周りの写真も添付しますが、ここにも風向風速計があります。マストトップには3式センサーがあり3ヶ所で読めるようにしてあります。料理は発電機を動かしたときになるべく電気でするそうでIH,電子レンジもありました。
10月19日朝、橋本さんが早い便で娘さんが居られるBrisbaneへ行かれるので早くご出発。私は12時ころケアンズ発の名古屋行きなので関さんをお見送りできることになりました。8時過ぎに奈良崎さん夫妻も来てくれ、給油、給水の手伝いをしてくれました。9時ころに一緒にぽれーる号のケアンズ出港をお見送りしました。一気に外洋へ出てヨーク岬付近へ近づき、リーフの開いたところからヨーク岬北へ行って先ず木曜島を目指し、それからダーウィンへ行く、と言って、平然と出港されました。勇気と、落ち着いた姿勢に尊敬の念を抱き、ご無事を心に念じつつ小さくなるまで見送りました。
その後、22日に木曜島に到着して1泊、その後一週間昼夜連続で走って30日にダーウィン到着と伺いました。今はダーウィンを出られてインド洋を走っておられるようです。サイクロンなどにあわれないよう、ご無事をお祈りします。また、機会があれば乗せていただきたいと思います。私も、今回教えていただいたことを参考にしてKING BEEでどこか外国へ行きたいと思っております。
