神前浦

by Leciel 田口 彰一

 5月連休に神前(かみさき)浦へ日帰りのデイ・クルージングに行って来ましたのでご紹介します。神前浦はハーバーから西に12マイルの距離にあります。

神前浦お手軽クルージング

市町村合併で現在は南伊勢町になりましたが、その前は南島町の町役場所在地であり小さな魚港が多いこの地域では比較的大きな町といえるでしょう。チャートでは吉津港と記されています。

 

5月5日、朝7時出港。天気は快晴、五ヶ所湾の周りの山々は新緑が美しく、清清しい空気が充満した絶好のセーリング日和です。しかしながら風は2~3m/sと弱いため、クルージングのセオリー通り機走です。

久しぶりに揃ったメンバーは三木さん、橘さんと小生の3人。この三木さん、ビールと食べ物には講釈が多く、昼飯は美味しい魚が食べたいとの贅沢なリクエスト。橘さんが手回しよくネットで検索して調べてきた旅館、民宿に船上から電話しますが予想どおり、「昼はやっていません」とつれない返事が返ってきました。飲食店は、喫茶店かラーメン屋ぐらいしかやっていないらしいのですが、あきらめが悪く行ってから食べ物屋を探そうということになりました。

 

途中、阿曽浦の沖で釣りをしている漁船の集団に遭遇。帰りはここで釣りとGPSに位置をしっかりマークしました。順調に機走が続き、9時見江島灯台を通過。程なく、北に転進して神前湾に入ります。この湾は立崎を境に2つに分かれていて、右側が奈屋浦、左が神前浦です。神前のランドマークの山の上に崖崩れのように山肌が白く剥き出しなった石灰岩の採石場を目指してしばらく走ると前方に黒と赤の孤立障害立標が見えてきますので、この立標を通過し、吉津灯台を左に回り込めば神前の港に着きます。今日は時間があるので寄り道して立標の右側にあるイカダが並んでいる他は何もない静かな湾の中を一回り探検してきました。

 

 

 

10時、神前入港。船を左の突堤の内側に槍付けで係留しました。港内の水はきれいで魚がよく見えます。水深も充分ある静かな漁港です。早速、町の中を探索に出かけました。立派な公共施設はやたら目に付きますが、営業している飲食店は昼前ということもあって見つかりません。「こんなところまできて、なんでラーメン屋を探さなアカンの?」とぼやきつつも町の端から端まで歩き(といっても1kmほどですが)、国道沿いにあった喫茶店で力尽きて、ありきたりの昼食を取りました。 

     

帰り道に見つけたスーパーマーケットをのぞくと、ここは商品が豊富、鮮魚コーナは五ヶ所のギュウトラや主婦の店より魚の種類が多くありました。小さな漁港の食料品店といえば、賞味期限がきれかかった商品が棚にわずかに並んでいて、しかも高い、そして鮮魚は無い(漁師ばかりなので当然か)と都会人から見れば本当に信じ難いようなお店と相場が決まっていますが、ここは大手のチェーン店らしく結構お薦めです。今度来るときはここで刺身やお惣菜を買って船で食べることにしよう!

 

また、町の中を歩くと石垣の上に立つ避難所がありました。過去に津波で大打撃を受けたこの地域では東南海地震への備えが着々とされているようです。我々、ヨット乗りも津波は気になるところですが、願わくはハーバーに遊びに来ている時には起こらないでほしいものですね。

 

12時に出航。帰りは風速5~6m/sの南風に変わり、快適なセーリングになりました。沖から見る風景と違って、立崎や見江島は湾側から近づいて見ると荒々しい絶壁、侵食でできた洞窟などが連なりすばらしい景色が楽しめます。いい風なので帰り道で予定の沖釣りは断念し、サーフィングしながら、午後2時には五ヶ所湾口に到着しました。現地でお昼に美味いものを食べるという目論見は外れましたが、約8時間の短いながらも楽しいクルージングでした。

SYHを基地に、天気さえ良ければ、錦辺りまでは日帰りが可能ですが、お店でおいしい昼食となると五ヶ所湾より西の田舎では無理なので、そういう向きには東の浜島方面がいいでしょう。やはり、こちら西方面は静かな入り江でランチタイム・アンカリングするというスタイルが似合うのでしょうね。