古和浦湾西浦
錨泊でのクルージング by Leciel 田口 彰一
ヨット乗り憧れのクルージングスタイルの1つは南の島を錨泊しながら旅するアイランドホッピングでしょうか。一方、振り返って我が艇のクルージングスタイルといえばこれとは程遠いワンパターンの近場クルージングです。そこで今年の夏休みのクルージングはいつもとは違う錨泊に挑戦することにしました。
行き先に決めた古和浦湾の西浦は周りを山に囲まれて、ほとんど民家もなく錨泊の練習には理想的な場所です。手始めに、初日は船をアンカリングして、人はこの西浦の奥で唯一の宿泊施設であるロッジ・サラクワに宿泊することにします。2日目は時間があるので帰路でいい入り江を見つけて錨泊するという2泊3日の計画です。参加メンバーは田口、橘と都合が付かない三木さんに代わってクルージングは初めてという釣り好きのゲストのNさんの計3名。
出発日当日朝に車で名古屋を出発。五ヶ所のスーパーマーケットで食料品を調達し、ハーバーにお昼前に到着。ハーバーマスターの岡さんにテンダーと燃料を用意してもらい、2人の到着を待って13時半に出港しました。スターンからテンダーを曳くだけで気分は南の島のクルージングになります。湾内セーリングのUFOに見送られて、16マイル先の古和浦をケンケンを流しながら目指しました。今年はなぜかシイラではなくサバが豊漁で途中で30cmぐらいのゴマサバを3匹確保しました。軽い南風に乗って5時半には西浦に到着。早速、ロッジ前の岸から100mぐらい沖合いにテンダーを使って前からV形に2本、後ろから1本アンカーを入れて船を固定しました。水深5m程度、底質はマッドかシェルなのでアンカーの利きはいいですが、岸から50mぐらいから急に浅くなって干潟状になっているので注意が必要です。また、お飾りみたいなものですが忘れずに船検の法定備品の黒球をハリヤードを使ってマストからぶら下げます。日が沈み薄暗くなるまで船でビールを飲んでくつろいだあと停泊灯を点けてからテンダーでいよいよ上陸です。テンダーのオールを漕ぐと気分もぐっと盛り上がります。
ロッジは周りを自然に囲まれて築20年近いな小さな戸建が10戸ぐらいあります。各建物には8畳ぐらいの和室と小さなキッチンとバス、トイレ、エアコンが付いていて快適です。食事は別棟の食堂で用意してくれます。なお、屋外にはバーベキューコーナもありますので作る元気があれば自炊も楽しいと思います。しかし、この日はお盆休み中というのに客は我々の他には釣り客が一名だけという寂しさ。昨今の不況の影響もあるでしょうが、子供や若い人がここような所でもっとキャンプやアウトドアスポーツに親しんでほしいものですね。
翌日は8時にアンカーを揚げて出発。見江島の付近を周りながら、アンカリングできそうな小さな入り江を見つけて魚釣りをしました。残念ながら釣果は乏しく、小さなスズメダイが釣れただけ。昼ご飯が終わった頃から日本海を通過する台風の影響で風も次第に強くなってきたので予定を繰り上げてハーバーに帰還することにしました。そんな訳で錨泊のクルージング計画は中途半端に終りました。
但し、今回のクルージングでは若干のノウハウを得ることができました。その1つが錨泊地の選び方です。風や波の影響を受ける場所を避けることは当然ですが、覚えておいてほしいのは三重県南部では湾口の岩場付近は避けるべきということです。なぜかというとこういう場所はサザエやアワビの漁場なので停泊していると漁師も気になるらしく頻繁に見回りきます。お互い干渉を避けるためには岸から数100mは離してアンカリングをするのが賢明でしょう。