瀬戸内海

 

by KING BEE 山崎 勲

 

 これまでKING BEEⅢ(ヤマハ33Ⅱ)は最大1週間程度で日和佐までくらいしかいったことがなかったですが、会社の大先輩の長嶋さん(72歳、船酔知らず)がキングビー仲間に加わり、「故郷の壱岐へ行こう」とせっつかれたのがきっかけで、いきなり壱岐は無茶だから先ずは瀬戸内海にと考えました。二人だけでは心もとないし、他のメンバーは仕事でゴールデンウィーク中しか無理なので、お隣の富川さんに相談したら快く同行を引き受けてくれ、実現した訳です。大いに感謝。

これから瀬戸内海クルージングをされる方のお役に立てることを念頭に、なるべく具体的に以下に記述したいと思います。

 

瀬戸内海クルージング


艇のエンジンは2年前にヤンマー3YMに換装して快調、殆どメインのみと2800RPM6.5ノット平均で走りました。3月からクルージングに備えて、レイマリンST4000オートパイロットとフルノGP7000F、GPSプロッターを(自分で)取り付けましたが、クルージングには大変役に立ちました。GP7000Fは日本全土をカバーする一枚のC-map(SDカード)を用いるもので、国際版なので英語表示ですがお値打ち価格。地図が粗めなので心配でしたが結果的に全く問題ありませんでした。書籍としては水路協会発行のプレジャーボート・小型船用「港湾案内」3冊、潮汐表、海図20数枚のほかに、「舵」誌掲載の瀬戸内海クルージングに関する記事の切り抜きなど持参しました。皆必要アイテムでしたが特に舵誌の記事は大助かりでした。

15日程度と考えたのでしまなみ海道までがせいぜいと判断。舵の記事を頼りに、かって海上交通の要衝として栄え、歴史的遺産が残るところを織り交ぜたため、観光も楽しめて充実したクルージングになりました。

 

4月29日(土) 五ヶ所 勝浦(54浬) 曇り 北西の風6kt 

前日から富川、長嶋、山崎で船内泊、5時SYH出港。1530分勝浦入港、船内泊。

 ホテル浦島の温泉めぐりのあと「ぷれいぼうい」(築地、TEL0735-52-2992)で夕食。港西方岸壁に沿って店が並んだところから狭い路地を入ったところにある居酒屋風の食事屋で、鯨料理、海鮮料理を手ごろな値段で満喫できるお薦めの場所です。

 

4月30日(日) 勝浦 周参見(37浬) 快晴 西の風20~24kt

 845分勝浦出港、1530分周参見入港。国民宿舎「枯木灘すさみ」(0739-55-3225)泊。

 今回は入港して右へ回り国民宿舎がある南側岸壁に槍付け。底は泥で錨効き良好。左の漁港内も止められます。

 

5月1日() 周参見 由良(37浬)快晴 北西の風20kt 

 830分周参見出港、1530分由良入港。船内泊。

 由良は奥深く幾つか泊地がありますが、混雑していて、奥の方で探していたら潜水作業船の人が、親切に横抱きOKと声をかけてくれ、助かりました。地元の人の話では、由良湾入口の蟻島南方の方杭(かたくい)の港が新しく整備され、空いていて良いそうです(風呂あり、店なし)。

 

5月2日() 由良 徳島(24浬) 晴れ 北西の風 20~25kt

 830分由良出港、13時過ぎ徳島ケンチョピア到着。

 吉野川のひとつ南の新町川を遡ると県庁の真ん前にケンチョピアヨットハーバーがあります。沖から西方を見ると新町川にかかる末広大橋の、赤白縞模様に塗られた高い2本の橋げたが見えます(橋下21m、これをくぐって遡る。深さ3.5mくらい)。事前に徳島ヨットクラブにメールでお願いしたら、県庁前のビジターポンツーンに譲り合ってご自由にどうぞ、とのことでした。立派な鉄製ポンツーンでクラブ旗が揚がっています。電気あり、停泊料無料。駅前のホテルサンルートの最上階にある立派な風呂(天然温泉)がお薦め。14時ころ中西さんが合流し、計4人に。

 

5月3日() 徳島 ~ 土庄(44浬)  快晴 北西の風16Kt

 9時ケンチョピア出港、1130分鳴門海峡通過開始、12時通過、1730分小豆島土庄入港。旅館「ひとみ荘」泊(場所はいいが建物古くていまいち)。

 当日の転流時1205に対し「±30分で通過するのが良い、なるべく真中寄りがいい」との徳島ヨットクラブ瀬川さんのリコメンドに従い11時30分から追い潮に乗って、真ん中から少し西よりをめざし、本船が通っているところの西はずれを通過。転流時というのに端のほうには小さな渦も見え、潮波はあちらこちらに立っていて、艇は時折すこし揺すられる感じ。本船も多かったが特に問題なく無事通過できました。

 土庄本港は混雑していて場所探しに苦労。小さな隙を見つけて横付けしましたが、お薦めではありません。翌日土庄東港を見物に行ったらヨットが4-5隻泊まっていました。ここも南風時は波が入ることが懸念されます。

5月4日(水) 土庄 牛窓(7浬) 快晴 北西の風 4kt

 8時土庄港出港、930分牛窓ヨットハーバー入港。6人で船内泊。

事前に電話連絡(0869-34-5160)でビジターバースを確認して入港。大きな2階建てクラブハウスがある、新しくて立派なハーバー(一泊係留4500円、水、電気あり)。コインランドリーなど風呂以外なんでも揃っています。昼前に小林、浅田両君が新幹線で到着、計6人になる。ヨットハーバーは牛窓の西端に位置するので、30分くらい東へ歩いて、ホテルリマーニあたりの賑やかなところ、さらにその東の古い町並みへ観光に出かけました。緑豊かな本土の山々や島じまに囲まれ風向明媚で、東洋のエーゲ海と地元がキャッチフレーズにしているだけのことはあります。小中学校にいたるまで、公共の建物は地中海風に白い壁、アーチ型の窓、黄土色の屋根に統一されており努力を感じる。鞆の浦と並んで古くから交通の要衝として栄え、朝鮮使節団(江戸時代20-30年ごとに数十隻約500人で訪問)宿泊場所でもあったので、古い町並み、数々のお寺が残っていて興味深く見物を楽しみました。夕食は艇上BBQで、盛り上がる。

 

5月5日(木) 牛窓 与島(23浬) 快晴 北東の風6kt

815分牛窓出港、与島のフィッシャリーナに一時もやって昼食、午後塩飽諸島本島に上陸して島内見物、17時与島に戻って船内泊。

 与島北側にプレジャーボート用ポンツーンが2個ある泊地が新設されており、陸上は、瀬戸大橋のサービスエリアで京阪フィッシャリーナと呼ばれ、多数の店やレストランがあって賑っている。風呂、コンビには無い。ポンツーン使用料は一回出入りごとに500円。計8隻くらい停泊可だが満杯ではなかった。

 本島(ほんじま)は丸亀市に属する。南側に、東の泊港、西の小阪港があるが、プレジャーボートは泊港が良いと聞いたので泊港に入る。岸壁に横付けして島内見物。かって塩飽水軍の本拠地であって、秀吉や家康が瀬戸内海を押さえるため、海での協力を条件に自治を認める旨の朱印状を書いたのが勤番所(住民から選ばれた「年寄」が政務をしたところ)に残り、展示されている。江戸時代、水主の多くがここで養成され全国で働いたらしく、咸臨丸水夫50人のうち35人は塩飽出身者だったとのこと。島には多くの寺があり北の笠島地区には古い町並みが残っていて風情があります。

 

5月6日(金) 与島 鞆の浦(23浬) 晴れ 北の風8kt

 830分与島出港、真鍋島で昼食、15時鞆の浦港入港。鞆シーサイドホテル泊。

 「舵」の記事に「真鍋島に漁火(りょうか)という漁師料理の店がありお薦め」とあったので立寄る。朝,予約の電話(086568-3519)を入れておいてよかった(飛込みの人は、魚が無いといわれていた)。ひなびた港の中央にある浮き桟橋をあがった所にある。中は手作りのようでこれがまたいい。3千円コースにしたが、11時から2時間かけて素朴な海鮮料理を堪能した。いつの間にかどんどんモーターボートがやって来て、店は満員になった。

 鞆の浦港は混雑しているから向かいの仙酔島に停泊するようホテルから事前に言われていたが当日こちらも一杯と電話あり。困っていたら親切にも澤村船具店の澤村猪兵衛さんから「ホテルに頼まれた。港の真中の漁協浮き桟橋の南端に邪魔にならないよう配慮して、アンカーを打って船首をつけるように泊めては。」と突然電話があり助かった。停泊作業中にも電話があり、あとで沢村船具店(084-982-2003)へ挨拶に行ったら、なんと山の上に首振りズーム可のモニターカメラがセットしてあって、ずっとわれわれの動静を見守っていてくれたことが分りました。ホームページでも画像が見られるそうです。漁業組合長もお知り合いとのことで心強かった。

鞆シーサイドホテル(084-983-5111)は格安料金で満足。町は朝鮮使節団滞在地でもあり、昔栄えたところで、牛窓よりずっと多く古い町並みやお寺があって、観光を満喫しました。坂本竜馬のいろは丸が沖で沈没したが、その展示館もありました。

 ここで3人下船、また出発時からのシーニア3人になりました。

 

5月7日(土) 鞆の浦 尾道(17浬)   小雨、無風 尾道入港時、霧

 お寺めぐりの後、1130分鞆の浦出港。三原瀬戸、布刈瀬戸経由、尾道到着1430分。尾道ロイヤルホテル泊。

 阿伏兎瀬戸から島々と本土の間の狭いところを通って東から尾道に入る経路が近いが、狭いので南回りが無難と、勝浦で出会った知久(ちく)さん(江田島沖野島マリーナ勤務、tel 0823-57-2450)から聞いていたのでこちらを選択。阿伏兎瀬戸西の田島の北側に海の駅として登録された内海フィッシャリーナがあるそうです(084-986-3100)。晴れ続きだったゴールデンウィーク最後のこの日は朝から雨で、視界も悪く200mくらいのときもありました。尾道の繁華街近くの海岸に商工会議所があり、その建物の真ん前にかまぼこ型の屋根つきの長いポンツーンが、海の駅としてプレジャーボート用に用意されています。ヨット45隻は泊まれそうです(給水可、トイレあり、一泊500円)。連絡先は、平日:尾道商工会議所0848-22-2165, 休日:尾道ロイヤルホテル0848-23-2111。尾道ロイヤルホテルは200mくらいのところにあります。7日は日曜なので入港前にホテルに電話したら、若い女性が桟橋まで来て待っていてくれました。素泊まり5000円とのことなのでホテル泊に決定。4時から観光開始、ロープウェーに乗って千光寺ともう12お寺見物をしました。繁華街を歩いたが、結局、商工会議所前の地魚料理「後藤屋」さんに落着き、料理に満足。鞆の浦、尾道、生口島、大崎下島(ゆたか海の駅)の詳細案内は「瀬戸内海族」のホームページに写真付きで載っています。

 

5月8日(日) 尾道 大崎下島(26浬) 快晴  南の風12kt

 830分尾道出港、1130分大三島宮之浦港着、同発14時半、大崎下島ゆたか海の駅入港16時。船内泊。

 大三島西側の宮之浦港へ真東の針路で入港すると、真ん前に神社のような屋根が付いた長いフェリー用第1桟橋、その根元にフェリーのビルがあります。その右(南)に、少し離れて、屋根が無い短めのポンツーンがあります。これが第2桟橋でプレジャーボートはこちらにつなぎます。当日はがら空き。水深3m。ここにKING BEEをもやっておいて大山祇(おおやまづみ)神社参拝をしました。室町時代再建の立派な神社で、御祭神は天照大神の兄神で地神海神兼備。源義経、頼朝(伝)、村上水軍一族などが奉納した武具甲冑、刀剣、鏡が多数国宝館に展示されています。日本の国宝・重要文化財の指定を受けた武具の8割がここにあるとのことで、大変見ごたえがありました。

 大崎下島の北東に位置する大長港の少し北に、「ゆたか海の駅」があり、真ん前にホテルがあって、ここで申請書記入し鍵を借ります。連絡先08466-7-2250。数隻留められるがポンツーンが短めで35フィートくらいまでか?風呂400円、係留料500円。給水、電気なし。

 夕方30分歩いて古い町並みが残る御手洗港へ見物に行きました。その昔栄えた港が忍ばれます。夕食は艇内で豪華ブイヤベース。

 

5月9日() 大崎下島 粟島(44浬)晴れ 南東の風8kt

 6時ゆたか海の駅出港730分来島海峡東航路通過、14時粟島港到着。民宿「粟島太郎」泊。

 転流時を狙って9時ごろ来島海峡東水道(3個ある橋の一番東の橋の下)を通過したが、ところどころ流れや潮波あり。大きな電光掲示板が島の山上にあり、流れ方向、流速が順次示されていました。我々が避けた本来の来島海峡航路(中水道、西水道)は本船が次から次へと通過していました。後は広い海面に出て逆潮1ノットくらいでたいしたことなし。言われたとおり粟島到着30分前に民宿「粟島太郎」に再度電話(0875-84-7285)したところ、しばらくして主人の松原さんが奥さんを乗せてモーターボートで猛スピードで迎えに来てくれ、粟島港西端にある自分のポンツーンまで先導してくれました。旧海員学校前あたりに公営桟橋がありこちらにもプレジャーボートがつなげるよ

うです。

晴天になり、時間もあったので山崎は250mの城の山へ登り、360度の絶景を楽しみました。旧海員学校には展示あり。粟島太郎は大阪から移住した人が半分楽しみでやっているような民宿で、大きなワタリガニなど腹いっぱいの海鮮BBQ、その後、焼酎飲み放題で、ご主人、奥さん、われわれの計5人で夜中までカラオケを楽しみ、朝食、おにぎり弁当まで付いて一人約一万。値打ちありました。ここは、昨年、日本一周中にSYHに数日立ち寄られた小杉力さん(グリーク)の航海記で知りました。停泊に苦労は無くいいところです。

 

5月10日(火)粟島 庵治(27浬) 曇り 東の風1kt

 930分粟島出港、14時庵治港着。船内泊。

4@5l@4@11@9@11@9@5xe" filled="f" stroked="f" o:preferrelative="t">

 鳴門手前の引田港までは少し遠い(更に20M)ので庵治にした。庵治港内は広くてさほど混んでいない。突き当たりの漁協前の給油桟橋に仮止めして漁協へ相談に行ったら、若い人が出てきて、入って右(南)の屋根つきの大きな岸壁の内側に浮き桟橋が5個あるが、北から2個目か4個目につけるように、と親切に指示してくれた。給油、給水を給油桟橋で終えてから指示された所へ移動。スーパーへ買出しに出かけて、またもやブイヤベース。

 

5月11日(水)庵冶 小松島(42浬) 小雨のち晴れ 北の風16kt

 8時出港。13―14時小鳴門通過。16時小松島到着。船内泊。

 手前で時間調整の後、転流時(14時)の1時間前(13時)に追潮に乗って小鳴門へ進入開始。まだ潮は結構速くて23ノットあったようで、まるで川を走っているみたいにどんどん進んで行った。水が盛り上がってくるようなところがあちこちに見え、岸近くは波立ったり渦があったりで、スリルを味わいながらしばらく走った。幅は川のように狭く、浅いところも各所にあるので、海図「鳴門海峡」をしょっちゅう覗き込みながらの前進、橋も幾つかくぐった。問題になるほど交通量は多くなく、そのうちに転流時刻に近づいて流れもなくなり、14時、無事通過して広い外海へ出た。緊張した、しかし楽しい一時間でした。

 帰りは違うところにと、小松島港を目指す。入港して正面の緑色屋根2階建ての大きな建物(元フェリー乗場、現小松島港交流センター)前に小さめのポンツーンがビジターバースとして用意されています。今年5月号の「舵」に詳しく載っていますが、建物一階に「NPO法人、港町作りファンタジーハーバー小松島」の事務所(0885330302)があり、ここへ行って1000円(ここは一泊すると二日分)+200円(水、電気、ホース、延長コードあり)を払う。引波のせいかいつもポンツーンと艇は揺れていました。近くに公園トイレ、風呂、商店街あります。

 

5月12日(木)小松島 周参見(55浬)晴れのち曇  12ktのち東の風20kt

7時小松島出港。16時周参見入港。国民宿舎「枯木灘すさみ」泊。

 翌13日は四国沖の低気圧のため東風が強く、午後好転すれば串本へ向けて出港しようか、と思っていたら、朝9時頃シャングリラが周参見に入港し、左のほうの漁港内沖側岸壁に横付けするのが見えた。一ヶ月の沖縄クルージングの後、鬼界ケ島から直行し潮岬を通過しようとしたが、4-5mの向かい波であきらめ、周参見へ来られたとのこと。我々もあきらめてもう一泊することに決定。夕方、丹羽徳子さん、吹原さん、藤田さん、田代さんなど計6人が国民宿舎へ来られ、楽しく夕食をご一緒させていただきました。