和具

by Leciel 田口 彰一

  11月の休日は行楽日和との天気予報だったので、近場のクルージングにでも出よう思ってVOCに車を走らせているうちに、行き先が決まらないままハーバーに到着してしまいました。相方の三木さんは先に着いていて、「今日は風が強いでぇ」とのこと。取りあえず、ビールと氷を積み込み、すぐに出航。お昼どきだったので礫浦の三吉丸に寄って昼飯を食べたあと、セーリングを開始しました。行き先をあそこはここはと話している内に随分沖まで出ています。空気が澄んでいるせいか東は大王崎、西は潮岬あたりまでうっすらと見えます。ビール以外の食料品は用意していないので、土地勘がある志摩半島の和具港に入ることにしました。この港の近くに「ニュー奥しま」というレストランがあり、ヨット乗りのマスターとは我々二人とも古くからの顔なじみです。しかも三木さんはここで働いていたこともあります。

 和具港はテトラポットで囲まれていて、五ヶ所方面からだと入り口がわかりにくですが東側からアプローチすると入りやすいでしょう。中は広く右手がイセエビ漁の小型漁船、左手が比較的大型の漁船が並んでいます。ルシェールは左の冷凍庫の前の岸壁に横付けしました。漁港ではいつもアンカーを入れて槍付けしていますが、今回は新兵器があったので安心して横付けが出来ました。
 何かというとハーバーのゴミ捨て場にあった大型の発泡スチロールの俵フェンダーを積んできたのです。ハーバーのスタッフの話ではスチロールが押し潰されたので捨てたという話であったが、このままではモッタイナイ!。ボクは貧乏性というか、正真正銘のビンボー人なのでこれをクルージングに再利用することにしました。まだ充分使える代物でしたが一つ問題が生じました。デッキに乗せているとそこから虫が一杯でてきたのです。払っても払ってもどこからかアリやクモやらが出てくるので、ロープを付けて海の中を30分ぐらい曳いてやったらやっと退治できたのでした。

  

 

 到着して船の片付けが終わったらまだ3時なので、店が開く5時まで和具界隈を散策しました。ここの町並みもボクが知っている20年前とあまり変わっていませんが新しい橋や公園などは整備されて随分きれいになっています。太平洋岸の和具の港から英虞湾側の連絡船乗り場、そこから戻って、広の浜沿いを歩き大島、小島を見ながら隣町の布施田まで数kmを歩いて足が痛くなってきました。日頃の運動不足がこんな時に現れます。ちょうど、UFOオーナーの田中さんの家が布施田なのでここに立ち寄り、車で和具まで送ってもらいました。


 「ニュー奥しま」は港から東に歩いて10分ぐらいの旧国道沿いにあります。お店は既に地元の人で賑わっていました。ここの売りはマスターが作る志摩の郷土料理。てこね寿司を食べさせる店はいくつかありますがここは本家てこね寿司で新鮮なカツオで作るシンプルな味わいが魅力。スパーで売っているてこねのように妙に甘ったるくないのがいいね。また、アジの皮をむいた「目くじき」も志摩の郷土料理です。小アジが沢山釣れた時に三木さんに作ってもらったことがありましたが丸ごと食べるのではなく、お店で出すものはぶつ切りにしてありました。たしかにこの方が食べやすい。 
  

(ニュー奥しま TEL: 0599-85-0151)

 久しぶりに見る顔とビールに酔いがいつもより早く回り7時過ぎには、船で寝込んでしまいました。必然的に夜中に目が冴え、ラジオの深夜放送を聞くはめになりましたが、やっていた番組が70年代ポック&フォークという番組だったのでうれしくなりました。というわけで、今回はたいへんノスタルジックなクルージングとなったのでした。